1:儚い吐息

 

 

俺が入り込むその瞬間の、あいつの吐息にも似たあの声。

快楽を得られる満足感と、何度も経験している最初のその痛みが同時に襲ってきた時の、儚さを含んだ甘い甘い声。

「服部」

だから、それを与えているのが誰なのかを再認識させたくて、名前を読んでみる。

するとギュッと瞑られていた瞼が開かれ、快感で潤んだ瞳が俺を見つめる。

「服部」

ソコへの圧迫感の苦しさゆえか、薄く開いた口唇はそのまま幾ばくかの言葉を紡ぐ。

「もっと・・・」

挟んでいた足を更に大きく開かせて、繋いだ中心はそのままに身体を前に倒してゆくと、服部の両手が俺の背中に回された。

「お前を、抱きしめさせて・・・」

互いの体温がそこから交じり合って、溶け出す一瞬。

獣が生まれる、始まり。

 

END  

 

2007/03/21脱稿

 

タイトルと微妙にズレている感はありますが、そこはまぁソレとして・・・(笑)
10題なので、頑張ってクリアしたいと思っております。
超ショート系ばかりになるかもしれませんが、お許しを。

 

 

「創作者さんに50未満のお題」様よりお借りしました。

 

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