恋人はサンタクロース?
「あなたから〜めりくりすま〜す。わったしっから、めり〜くりすま〜す♪」
学校も冬休みに入り、バイトを兼ねて父親の仕事を手伝った事件も呆気なく解決し、かなり上機嫌で家に帰り着いた平次。
「おか〜ん、ただいま〜っ」
しかも帰りがけに食事など奢ってもらい、(本当はいけないのだが)お酒も少々入った状態で、かなり上機嫌になっている。
玄関先でコンバースを脱いでいると、良いタイミングでチャイムが鳴った。「はいはぁ〜い」
半分靴を突っかけた感じでドアを開ける。
「宅急便です」
宅配業者の制服を来た若い男が小ぶりの荷物をひとつ持って立っていた。
「あっ、はい」
「印鑑いただけますか? あっ、サインでもかまいませんが」
そう言って伝票とボールペンを差し出され、素直に「服部」と書いて荷物を受け取ると、業者はそのまま帰っていった。
「なんや?」
荷物は国際便になっていた。
宛名は『服部平次』宛て。
送り主を見ると『工藤優作』となっている。
「工藤のおっちゃんから?なんやろ?」
梱包を解いて行くと、クリスマス用のラッピングがされた箱が出てきた。
ちょっと振ってみると、ゴトゴトと重い音がした。更にリボンを解き、包装紙をビリビリと破いて行く。
ふたを開けようとすると、再び玄関のチャイムが鳴る。
「宅急便です。服部平次さんにお届けものです」
玄関先で梱包を解いていたのが良かったのか悪かったのか。
今度も自分で出て荷物を受け取る羽目となり、またまたほろ酔い気分で対応する。
次の荷物は国内便で、東京から来ていた。
その送り主は『工藤新一』。
「なんや工藤やん。改まってなんやろ」
さっそくこちらの梱包も解きにかかるが、そこへ母親が現れる。
「玄関先でなにやっとんの?」
「ちょっと俺宛に荷物届いたん」
「そやったら、中でやり。そんなん処に居ったらじゃまやろ」
そう言って玄関先から当然のように追い立てられる。
「そうそう、私出かけてくるわ」
「こんな時間にか?」
「警察官の旦那を持つと色々付き合いとか在るんよ。なんせ歳末さかい」
そう言った平次の母は、ちょっとばかりおしゃれをして出かけていった。
「うちのおかんも本当、じっと家に居らんわ…」
年中飛び跳ねている幼馴染の和葉やその周辺の女性たちを思い浮かべると、『女ってなんてパワフルなんだ』とか思ってしまう、まだまだお子様な平次なのであった。
それはさておき、とりあえず荷物を持って自分の部屋へと向かう。
送り主が送り主たちなので、ちょっとばかし嫌な予感がしなくもないが、クリスマスに届く荷物に悪い気がしないのは事実だ。
まず先に、開封途中だった新一の父親から送られて来た荷物の方から開けてみる。
中には数枚のCD-ROMと、更にもうひとつの箱。ROMのラベルを見ると、なにやら怪しげな『海外モノ』の雰囲気が漂ってくる。
平次とて元気な性少年。中身を想像すると、自然に顔がにやけてきても仕方がない。
そして箱を机の上に置くと、パコンを起動させROMを入れて画面を立ち上げる。
かなりワクワクしながら待っていると、そこに現れたのは、予想した通りの金髪美女の無修正モノだった。
「工藤のおっちゃんも話しが分かるやん。ええもん送ってくれるわ」
これで明日は友達を呼んで、みんなでここで見ようなどと考えながら次のROMを入れてみる。
今度はちっぴり危ないSMモノで、怪しげなボンテージスーツに身を包んだ綺麗なブルネットのお姉さんが、見たこともない色々な道具を駆使して、黒髪少女を思い切り調教していた。
こんな世界も在るんだと、大人の世界を垣間見た気がした17歳は、ドキドキしながら次への期待を胸にROMを変える。
しかしここで平次の身体は思い切り固まってしまった。
17インチの画面に映し出されたのは、金髪は金髪でも男性同士が絡みあった画像であった。
しかも所謂3Pモノと言われるモノで、マッチョな男性が3人で組んず解れずでムニャむにゃムニャ…。
平次の心の中では「わー」や「ぎゃー」や「ぎょえー」などと叫んでいるのだが、あまりの衝撃に身体がついて行かず、画面を消すことも出ずに見入っていた。
そのまま延々30分以上。平次は瞬きも忘れたかのように見つめ続けてしまった。
そしてやっとソレから解放されると、力が抜けたようにぐったりと床に座り込んでしまう。その時、腕が机にぶつかり箱の中身が外に飛び出したが、そんな事は気にも止める余裕などなかった。
「あないなコト…あないなコト、俺もしとんのか…工藤と…」
自分と新一のH!の場面など、当然一度として見たことのない平次の衝撃は大きかった。
「あないなカッコして、あないな恥ずかしいカッコで…」
今見た映像をつい自分と新一で想像してしまい、顔を赤くしたり青くしたり、誰もいない部屋の中、一人で座ったままパニクッていたのだが、とりあえずこんなROMは処分してしまおうと、立ち上がり掛けた処で何かに滑って思い切りコケる。
「いててて…なんやねん」
机の上から落ちた箱と共に転がっていたのはその中身。
再び平次の身体と思考が固まってしまう。
そう、そこに転がっていたのは、今SMモノでお姉さんが調教する際に使っていた道具の数々…。
「わ〜〜〜〜っ!」
今度こそ大パニックに陥った平次は、床に散らばったそれらを慌てて掻き集めると、再び箱の中に詰め込み蓋をする。
「こ、こんなん…どない所為ちゅうんや」
平次は箱を抱えて部屋の中をうろうろしてしまう。
こんな物が家の者に見つかりでもしたらそれこそ大変だ。
「あんのスケベクソおやじ〜〜!」
クリスマスのイブの夜。
服部家からは平次の雄叫びが響き渡る。
外の家々ではクリスマスがソングが流れていると言うのに…。
しかし平次の不幸はまだまだ終わらない…。
なぜなら。
そう、平次はまだ新一から送られて来たプレゼントの箱を開けていないのだから…。
青春真っ盛りのサンタさんからの贈り物。
中身は、なに?
それは…?
END
2001/12/18脱稿
この話しはRKさまに捧げます。迷惑でしょうが受け取って下さい。しかもこんな話だし…(-_-;)
一応優作×平次と言って良いのか?KID×平次に引き続き、また超マイナーカップリングに手をつっこんでいたりします。
何処まで行くのかイバラ道…。こうなったら思い切り突き進むって言うのも手かも…。イバラなカップルのリクエストお待ちしてます(笑)
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