Nightmare before
Christmas
毎夜毎夜訪れる、それはあの夜の続き…。
純白に身を包んだあの男の。
淫猥な夢を伴って…。
飲める口実は実は何でもいいのだが、とりあえずクリスマス・コンパなど主催した友人に連れられて、ひとまず大騒ぎをしてきた平次は、ほろ酔い加減の良い感じで家に帰って来た。
酔ってはいても一応理性の働いた平次は、「お持ち帰り」することもされることもなく、ひとり無事にたどり着いたのだが、玄関には大量の靴が散乱し、大宴会中の模様を呈していた。
夫婦揃って酒豪の異名を持つ服部家。こうなっては『君子危うきに近寄らず』を通す方が得策と、そっと廊下を歩いて自分の部屋に向かう。
ちょっとでも見つかったら最後、寄ってたかって潰れるまで飲まされつづける。警察官の家なのに良いのかって位、未成年にさえ遠慮がない処が更に怖い。だって、一緒に飲んでいる誰もが止めることもしないのだから。
そんなこんなで誰に見つかることも無く、部屋の中まで入ったところで、ほっと一息をつく。
寒いのが苦手な平次は、慌てて部屋の暖房のスイッチを入れると、温風の吹き出してくる下に陣取って背を向けて座り込むと、着込んでいた上着を脱ぎ、ジュータンの敷かれた床の上にポイポイと放り投げてゆく。
酔っている所為と、階下のランチキ騒ぎの所為で風呂に入るのが面倒になっている平次は、クリスマスソングを何気なく鼻歌雑じりに歌いながら、そのままパジャマ代わりのスウェットの上下に着替えてしまった。
「それにしても寒ぅ…」
暖房の当たる背中は温かいものの、何処からか冷たい風が入ってきているようで、一向に寒さがなくならない部屋の中にやっと疑問を感じた平次が、寒さの根源であろう場所を見上げると、大きく開かれた窓と緩やかに揺れるカーテンの中心に、大きな白い影が窓枠にちゃっかりと座り込んでいるのを見つけてしまった。
「誰やッ!」
見に覚えのあるシルエットであったが、ついお決まりの台詞をはいてしまう。
「HAPPY MERRY CHRISTMAS、服部平次」
更に聞き覚えのある声だというのに、まさかという思いの平次は直ぐに反応を返すことが出来ないでいた。
そしてこの一瞬の隙が、この先の全てのリード権を彼に取られる事になってしまうとは思ってもいなかったろう…。
「キッド!!」
腕を組み、その片手をちょっと顎に当てたようなポーズ。白い大きなマントが外に向かってたなびいている。
「今年のクリスマスは俺に会いに来てくれなかったんだな?」
キッドのその一言で、昨年のとんでもないクリスマスの夜を思い出してしまい、一気に顔が赤くなる。
「あれは、あれは、お前が…お前が…」
口に出すには恥ずかしい行為の数々の所為で、つい言いよどんでしまう。
「楽しいクリスマスだったよな。お互いにプレゼントの交換までしたしな」
「プレゼント交換?」
確かに平次は青バラとその中に隠されていたプルーダイヤを受け取ったが、自分が何かをあげたという記憶は無かった。
「そう、服部平次。君の初めてを貰ったろう?」
その言葉が何をさしているのか、分からないほど馬鹿ではない。更に真っ赤になってしまって、反論しようにも口だけが金魚のようにパクパクするだけで言葉にならない。
「風が冷たくなったな」
そんな平次を見ながら目を細めて笑ったキッドは、部屋の中に入り立つと、冷風の吹き込む窓をぴったりと閉めてしまった。
「あっ!」
吹き込む風がなくなっただけだというのに、急に部屋の温度が上昇したように平次には感じた。そしてそれは平次の身体を後ろへ後ろへと無意識に逃げさせていた。
「今年も二人でクリスマスを楽しまないか?」
そんなに広い部屋の中ではない。たった数歩でキッドは平次の目の前に立っていた。
ゆっくりとシルクハットとマントを取ると部屋の隅に投げ捨てる。
平次の背中が壁に付く。「い、いやや…」
ある種の恐怖に、平次はキッドを突き飛ばし横に逃げを打つが、そんなことは想像の範疇だったのか、あっさりと片方の手首を掴んで引き寄せた。
「いややぁ!」
「なにが嫌なんだ?んっ?」両方の手首を捉えられ、頭上でひとつに括られる。
「あぁ、このままじゃやだって事か?この間のように縛って欲しいか?」
片手であっさりと平次の両手を壁に縫い付けたまま、もう片方の手はトレーナーの下から入り込ませ、首の処から指先を出して顎を捉える。
昨年のクリスマスの夜と、今年の夏の夜の出来事と、縛られたまま思う存分喘がされ鳴かされ続けた。心では嫌だと言いながら、快感を引き出され快楽の底に叩き落された身体は素直に従う道を選んでしまう。
「離せっ、キッド!」
今夜はそうなるものかと必死に暴れて抵抗するが、摂取したアルコールが直ぐに平次の抵抗を無力化してしまう。
感嘆に息が上がり、身体が重くだるい。「未成年の飲酒はいけないんだぜ」
「うるせぇ」荒い息を吐きながら口だけでも抵抗をしてみせる。
「君の口からはそんな言葉じゃなくて、別の言葉を聞きたいんだけどね」
力が抜けている平次の身体に覆い被さるように、キッドは今夜最初の口付けをした。
「んっ・・・」
口を閉じてそれでも必死の抵抗を見せる平次に、顎を掴んでいた手を少し服の中に戻して、まだ立ち上がっていない胸の飾りの片方を強く摘んだ。
「あっ!」
突然の痛みに声が上がる。
その隙にキッドの舌が平次の口腔に進入を果たした。唾液が零れ落ちるのもかまわず、まるで貪るように最初から舌を激しく絡ませた。「んっ…ふぁ」
キッドが口付けの角度を変えるたびに、平次の口唇からはため息ともなんともつかない声が上がる。
どのくらいの間そうされていたのか。
口唇が離された時には平次の息は上がり、そして下半身にはしっかりと反応が返っていたのだった。「今年も楽しいクリスマスになりそうだな」
そう言ったキッドの瞳には獲物を捕らえた獣の光が起こっていた。
そして既にぐったりとし始めている平次は、そんなことには気がつかずにいる。
今夜はクリスマス。
21世紀最初のクリスマス。
あの人と過ごそう。
大好きなあの人と。
そう、たった二人で。
二人きりで。
to be continued.....
2001/12/25脱稿
すみません、ごめんなさい…m(__)m ここまでこの話を
引っ張っておきながらENDマークがつきませんでした。
いやぁ、マジで書き出しちゃったものでこのまま書き続けると
長くなる長くなる(笑)特に久々のH!シーンなんぞ書き始めたら
全然止まらないってなもんで…いくらこっちのサイトでもヤバイし
てな事で、そのうちうま〜くオブラートに包んだH!が書けるまで
もう少し続きはお待ち下さい。(もしかしたら本かも…)
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