PRINCESS PRINCESS


 これほど恥ずかしいことはない。

 前から見ても後ろから見ても、上から見ても下から見ても、横から見ても斜めから見ても、何処をどうやって見てみたって、そんな事をされるような体型でもガラでもない。
 それなのに、そんな俺に対して恥ずかしげもなく、それをやってしまうのだ、目の前のこの男は。
 身体に付いている肉のほとんどが筋肉のこの俺を、こともあろうにお姫様だっこ・・・。
 いや確かに、俺の抵抗をまるっと綺麗に無視しながら、キッチンなんかで無理矢理ことに及んだのは、このヤローさまだ。
 まるでベタなアダルトビデオのキッチンプレイの如く、定番(?)のアレやコレやを使われた所為で、恥ずかしいくらい全身がいろんなモンでベタベタのヌトヌトのとんでもない状態なもんだから、自ら歩いてバスルームへ向かうのは、後で床掃除必須。
 更には、どんな過酷な訓練にだって実戦にだって耐えられる体力を備えたこの俺が、こいつが十分満足して俺を解放した時には、既に腰が抜けたように下肢にはまるで力が入らず、腕さえもまともに言う事を利かなくなってしまっていたのもコンナコトになった原因だった。
 そう、今日の行為はそこまで俺の生命力を奪っていた・・・。
 ここの所、だいぶご無沙汰だとは云え、これまではお相手頂いた女性の皆々様には、一応それなりに『テクニシャン』とか、『絶倫でたのもしい』とか、『あなたの体力にはついていけないわ、すごすぎて』とか、言われていたのだ。
 だから、ベッドの上…まぁ、他の場所ででも構わないには構わないんだけど…では、絶対の自信を持っていたというのに、その俺の上を更に行く、超々絶倫ブリ。
 そして自分の言うのもなんだが、筋肉ダルマ体型のこの俺を、両腕で楽々と抱きかかえながら涼しい顔でバスルームへと歩いてゆく。
「摑まり難いだろうが、でもちゃんと摑まってろよ」
 ソコや胸を中心に、バターやら蜂蜜やらオリーブオイルやら果物の汁やら・・・で全身滑る俺を、それでもしっかりと抱きながら、なぜか裸エプロンスタイルのヒューズ中佐は、実に楽しげにそう注意を促した。
 もう暴れて抵抗する体力もない俺は、諦めも入り混じって言うがまま、されるがまま状態で、この後のバスルームでの行為について、したくなくても想像が出来てしまう。
 出来ることなら、ひとりでゆったりしたい場所なのに…。
 このオヤジ相手にココという場所では、それは出来ぬ相談だろう。
「そら、着いた」
 自分も方膝を付いて座りながら、俺をタイルの上へと降ろすと、シャワーヘッドを手にして湯の温度を調整し始めた。
「俺が汚したんだからな。ちゃんと綺麗にしてやるから安心していいぞ」
 やはりこのオヤジは、まだまだ体力が有り余っているようだ・・・。
 俺は既に、半分夢の中に旅立ち始めている自分を自覚しつつも、この超絶オヤジを止める手立てはないものかと考える。
 泡の起ったスポンジが近付いていた。
 汚れの目立つ胸を滑ってゆく。

 それと共に耳朶を甘く噛まれ、そして再び口唇を塞がれた。

THE END

「大きな犬の躾け方では、今だ希望のキッチンまで行き着いていないので(笑)、
こちらでキッチン編のその後チック(?)な話を書いてみました。
しかし、朝から車の中で浮かぶネタではないとは思うんですが・・・しかもBGM
は健全なドリ●ムなのに…。

 

 

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