扉をあけてパターン2
何故だか、再びそこまで来て五代の足が止まる。
ドアノブに手をかけようとしたが、中から漏れてくる声に身体が止まる。
先日のがっくり来た「自分の想像の良さ」の件があったので大丈夫と思いながらも
ノブに手をかけたまま、今回もまた固まってしまう。「だめだよ、椿…」
今回も苦しげな一条の声に、容赦ない椿。
「ダメじゃない。ちゃんとやれよ」
「いたいよ、椿」
「そんなことは無いはずだ」
「無理、だって…これ以上は入んないよ」
めちゃめちゃ苦しそうな一条の声。
「くそう、お前の…狭いから」
「だから痛いって言ってるんだ」
「今度はちゃんと入れるから…もう一回やってみよう、なぁ?」
甘やかすような椿の声に、拗ねたような一条の声が重なる。
「もうヤダ。お前絶対に下手すぎだ」
その台詞に椿のプライドが擽られたのか、ちょっと怒ったような声に変化する。
「そんなことは無い。俺のテクニックは完璧だ」
「それならなんでこんなに痛いんだよ」
「それはお前の中が狭すぎるのがいけないんだ」
「俺の所為か?そんな台詞を吐いてないでもっとうまくなれよ、このヤブ!」
余りの痛みに切れたらしい一条が涙声で怒鳴る。
「ヤブ?ヤブって言ったなぁ?よ〜し上手くなってやる。練習してやる。
お前が実験台だッ!」「な、なにを…こら、椿、止め…」
ドタバタと暴れているような音がする。
「止めろ…ばか、椿!」
「なにやってるんですか!椿さん!」
必死の一条の声に、悶々とドアの外で考えていた五代だったが、悲鳴のような声を
聞かされて黙っているわけにはいかない。一気にドアを開けて中に飛び込むと、そこ
には再び健康診断用の検査服に着替え、胃カメラをお互い奪い合っている二人の姿
だった。
そしてやはりその周りには数人の看護婦さんが、笑いながらその光景を見守っていた
のだった。「あっ?」
今日もまた一瞬の沈黙が部屋の中を通り抜けた。
「聞いてくれ五代!こいつは胃カメラが中に入らないのは俺の所為だって言うんだぞ。
絶対にこいつの腕の悪さだよなぁ?」同意を求められるが、頭の中がちょっとH!想像モード中だった五代は、直ぐにまともな
反応が返せるはずは無かった。「へっ?」
「何を言ってやがる!俺のテクはナイスバディなお姉様から、ちっちゃならぶりー美少女
まで、万人の認めるところだぞ」「はん、このヘボ医者!」
「なんだとぉ〜!もう許さん!鼻を摘んでも胃カメラを押し込んでやるぞ!みんな一条を
押さえ付けろ!それっ!」「わ〜っ!!」
ドアノブを片手に握ったまま、五代はその場で今日も乾いた笑いを放つ。
その目の前では、力ずくの椿の健康診断が続いていたのだった。
The END
2001/11/24 脱稿
バリュウムの次は胃カメラと、じじくさいネタになりましたが、
椿さんも医者という所を見せつけた作品に仕上がったんでは
ないかと自負しております(大笑)。
そうそう、一応カップリングは21ですからね…。でもそのうち
51も!(←かなり本気の野望!(-_☆)ふふふ…)
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