SHO&T
≪15の好奇心≫

3. Tea Time
15〜16歳の女の子ばかりが目立つ、ちょっぴち可愛らしいピンク系のお店。その中に異
様に人目をひきながら、平気な顔をしてせっせとワッフルを食べる男(?)2人…。「データの通り、ここのワッフルはおいしいですね」
周囲の視線をものともせず、既に5皿をたいらげたTと、やはりちょっと落ち着かない様子で
2皿をたいらげたショウ。「本部に帰る時は、課長にお土産にもって帰りましょうね♪」
7皿ほど食べかなり満足したのか、口元を優雅にナプキンでぬぐいっていると、こちらをさっ
きからちらちらと見ていた女の子達に、Tは悲鳴を上げさせるには十分に効果のある微笑み
返してやると、懐からカードを出しショウに差し出す。「さて、仕事の話しをしましょう。これが今回探し出す相手です」
アイスコーヒーをズルズルとすすりながらカードを受け取ったショウは、そこに映し出された
人物を見る。「トム・ワトソン、15歳。ここの隣の星のお坊ちゃまです。2ヶ月前からこちらに来ていることが
解っていますが、全く連絡をしてこないそうで、ご自宅の方も困っているそうです。」
「お金持ちの我儘ボンボンかよ。こんなガキ一人なら、てめぇーの家で探し出して、連れ帰れる
だろーに。な〜に労働力ケチって俺たちなんかに頼むんだよ」ショウはカードを指でピンピン弾きながら、ニマッとする。
「んでっ?…お家の体裁を気にせずT・C・Cに仕事を依頼してきたって言うことは、連れて帰れ
ない何かがあるんだろう?どんなトラブルだ?」どうやらショウは、単なる人探しでなっかたことが事のほか気に入ったらしい。ワクワク感が全
身から滲み出ているのがはっきりと分かってしまう。「はい、どうやらこのトム少年は、いわゆる『悪い仲間』というのと一緒にいるんだそうです」
「悪い仲間ぁ?…なんと今時レトロな言い回しで…」
「ショウ、顔が超にやけてますよ」寝ている間ミーハー惑星に連れて来られた(?)のと、先ほどのTの台詞攻撃とのダブルパンチ、
それとこの店のショウにとっては一種異様な雰囲気を感じていた(まぁ、この店に関して当然と言っては
当然なのだが)のとで、ずっとむっとしていたのだっが、どうやらお腹が満足したのとひと暴れ出来る
かもと言う予感に、自然に顔がにんまりとしてきてしまう。「出入りの店を数件リストアップしてありますので、そこかか回ってみましょう」
「O〜K!食後の運動だ!」ショウは意気よい良く立ち上がり、ガッツポーズ。
ファイト、イッパァ〜ツ!
女の子の花の中で、その光景が異様に目立ったのは言うまでもない…。
ショウはお店を3軒、4軒と回っていくうちに、なんとなく変なことに気がついた。店の雰囲気はどれも似たり寄ったりで、薄暗く少し空気が淀んでいる感じがする。
まぁ、これは仕方のない事だとしても、問題はどのお店にも女の子が一人もいない事実だ…。そう店員の中にも、お客の中にも。
そして、はじめは気のせいかななどとのん気に思っていたが、店に入るとジロジロ見られているの事を数件目には自覚しないわけにはいかなくなっていた。
2メートル近い身長の青年と、170センチ程度の少年なんて、今の世の中目ずらしくもないと思っているショウは、視線の意味がつかめなでいる今、とりあえず大人しくしているしかなかった。
しかし本人達に自覚がないだけで、実は(ここでも)かなり二人目立っていたのだ。混血が当たり前の昨今、純粋に東洋系の見かけに加え、長い黒髪に膝下まであるチャイナ服姿のTと、その横には見た目だけは可愛い男の子のショウの2ショット。ある意味非常においしいと言える…。「T、どうだ。いるか?」
「店内をスキャンしましたが、データに該当する人物はいません」
「ここも空振りか」
ジャケットのポケットに両手を突っ込んだまま、回れ右をしてスタスタと出て行こうとするショウを、後襟を掴みTはヒョイっと引き止める。
「なんだ?」
「トムではありませんが、映像データの隅に写っていましたトムの仲間の一人を見つけました」
「どこだ?」
「今、トイレから出てきます」
Tが顎でクイッと指した先には、いかにもチンピラ風の少年(それでもショウよりはよっぽど大きく、年上に見える…)が、ぶらぶらとトイレから出てくるところだった。
「そんじゃ、ご挨拶してきましょかね〜♪」
ショウはものすごく嬉しそうに(心持ちスキップが入り)歩いて行くと、スッと少年の目の前へと立つ。
「なんだぁ?おまえ」
御決まりのやや斜めの角度ですごむ少年に向かい、ショウの方はぐっと見上げて(ちょっと悲しい…)ニヤリと笑う。
「トムは何処にいる?」
「そんなヤツ知らねーよ!邪魔だよ、退きな」
少年はショウを横に突き飛ばそうとするが、一瞬早く足払いを掛けられつんのめるように前方に倒れ込んだ。
「近頃のガキは、何食ってこんなにでかくなるんだ?」
うつ伏せに倒れた少年の首の上に、相変わらず両手はポケットに入れたままのショウは、少し体重をかけて右足の靴の底で押え込み、もう片方の足は、少年の左手の上に思い切り乗せててしまう。
「このやろーっ!どけっ!はなせっ!」
「離してほしけりゃ質問に答えな」
首の上にある靴の底に少し力を入れると、少年は空いている手足をバタバタとさせる。
「答えてくれる?」
「うぐぐっ…」
相当苦しいのか声も出せない状態の少年は、微かに動く首を縦に振って無言のOKのサインをだす。
「何処にいる?」
力をゆるめてやってショウは『ちぇっ!こんな簡単に吐くなよ。つまんないなぁ』などと、かなり不謹慎な事を考えながら質問を続ける。
「この先の5丁目、ホットショットって言う店…に、たぶん、この時間ならいると思う」
「ホットショットな?サンキュ!」
ショウが少年の上から飛び降りると、今度はTが襟首をつかみ、ちょっと助けるように後ろから引き起こしてやる。
「すみません。うちのショウってば乱暴者で」
3人の間に人だかりが出来始め、その店の黒服のお兄さん達も集まり始める。
「失礼な!その程度で乱暴と言ってほしくないね。ほら、さっさと行くぜ、T!」
少年は咳き込みながら、それでもすごんでみせる事は基本なのか、一応忘れない。
「あんたら、何もんだよ?こんなことして、ただ済むと思ってんのか!!」
ショウは立ち止まり、一泊おいてから、
「…お城から王子様を迎えに来た、教育係だよ」
じゃあなと、言って店を出た。
しかし、店の外でTが一言…。「今のギャグですか?つまんなかったですよ〜」
うるせーなーと言って、プーっとふくれたショウに、
「《テディ・ベア》に戻ったら、私の『吉本ギャグデータコレクション』を見せてあげますから、それで思い切り勉強して下さい」
と、とどめの一発。
こいつらって一体…。
to be continued…
(1998/01/15初出)2002/01/08 改訂
今年初の小説UP!です。
まだまだ基本の話しの15才が出てきませんが、主役
二人と共にお茶でも飲みながら、お待ちください(~_~;)
さて、そろそろオリジナルの新作もUP!させたいんですが、
モトネタ・データがPCの入れ替えの際に消されてしまっ
た為、1から思い出して書き直さないといけない状況で
すので、そのうちヒマが出来たらてことで…。
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